万年青(オモト)の縁庭園
御寝所の亀の間に面している万年青(オモト)の縁庭園は、つくしの縁庭園からの遣水が廊下を挟んで流れ込む庭園ですが、様相は一変します。
遣水は深くなり、ゆるやかだった流れは水音が響くように工夫されており、五葉松を中心に、雄松(クロマツ)、キャラボクなどの古木が配されて作られた大小の築山は、樹木が覆う深山渓谷を彷彿とさせます。また、中央に並ぶ三本のキャラボクは万年の時を経た吉祥の亀を表現しています。
つくしの縁庭園と共に、昭和59年(1984年)4月、県指定名勝となっています。
吉祥の亀
万年青の縁庭園中央に並ぶ大小三本のキャラボクは、万年の時を経た吉祥の亀を暗示しています。
亀の間に続くこのお庭から、心安らかに眠りを守る水音とともに、長寿を願う意味も含めた奥方への心配りに溢れる意匠となっています。
亀の間
万年青の縁庭園に面する、この部屋は御寝所として使われ、部屋の四隅の柱には蚊帳(かや)の吊り金具が付けられています。正面には床の間、違棚を設けられていますが、御寝所らしく清楚な意匠となっています。
障子腰板には長生を寿ぐ亀が描かれており、床の間の方より1枚毎に亀の数が増えています。